小説 「夢幻語り」 -第一章- オンラインサマーズ

 7月24日 うごメモ界 夢幻地方 開幕町

 特別に暑苦しい夏の日、ある荘から始まる話。

 『今のところ、指名手配中の誘拐犯は捕まっていないとのもよう。』居間から聞こえるテレビのニュース。「不吉ねぇ〜。」と、ため息を吐きながら一言呟く大家。『天気予報です。明日の開幕町も今日のように晴れますが、午後から曇りになるおそれがありますので、洗濯物に注意をしてください。』

             午後12:00 00:00

 一人部屋でイヤホンをつけ、音楽を聴きながら団扇で自分を扇ぐ眼鏡をかけた少年。「・・・暑い。」と言ってから全く喋らなくなった。それどころかボーッとしている。この状況が続き、30分。気づくと寝ていた。

 丁度昼食の時間がきた。部屋を出て居間へ行くと先に同年代の青年達がいた。

 咲「あ、ザキさん!」 少崎「うぃ〜。」 健「おせえぞ。」 満「随分たるんでるね。」 「だって暑いんだもの、せんだみ●を」 「それ違う人だよね;」 「それより昼食は?」 「あぁ、そうやった。いただきます。」

             午後13:08 00:00

 「暇だなぁ。」 「本当に暇だ。」 「う〜ん暇だわ。」 「もう暇と言うしかなくない。」青年達は10分くらいそう呟いていた。

 空は青く日は暑かった。その時、大家が何か閃いた。

 「そうだ!みんなで開幕デパートにでも行きましょうよ。」 「デパートか、それもええな。」 「あ!そういえば私欲しい物があったんだった。」 「あらそうなの。じゃあ丁度良いわね。」荘の全員でデパートに行くことになった。そして、いざ行くときには丁度気温が少し減っていた。「・・・ちょっと涼しい。」みんなの足はデパートへと向かった。だがこの時、彼らには予想もしない運命の出来事が待ち受けていた。

             

             午後13:52 27:02

 荘から結構離れた都会の街並みと橋の下を走る電車。建物が並んでいる道通りには大勢の人間と人外が通っていた。でも空は急に暑くなった。

 その道を通る一匹の眼鏡をかけた変わっている猫が少崎達とすれ違うとその変わった猫は何か気になるかのように少し間をあけて気づかれないようについていった。

 「そろそろデパートに着くわよ。」 「んあ、やっとかかぁ。早よ入って涼みたいわ〜;」 「あれ?あの人・・・」満が気づいた相手はこちらにも気づいていた。

 「あら、あなたたち。」「お!セラス姉、久しぶり。」「お久しぶりね。」「セラスさんも買い物ですか?」「えぇ、ちょっと買いたいものがあったから。」「そうですか。あ、もし良かったら一緒に行きます?」「良いわね。」彼らはデパートに向かい中に入っていった。それと同時に謎の猫もデパートに入っていく。

 みんなはデパート内で楽しく買い物をしている時、謎の猫は色んなところにいたり現れたりした。その不可思議な事に気づいたのは健だけだった。だがその猫は急に消えたりしたので健は別に気にしなくなり、ずっと無視をした。

 

 帰る頃にたくさんのガードマンを見かけた。それは、開幕町町長の娘‘‘東 美幸”が来ていたため、周りにガードマンをつけていたのだった。美幸は少崎たちに気づき、話しかけた。「あら、あなたはこの前‘‘夢幻市町村集会”に来ていた人よね?」「うぇ?あぁ、そうですけど?」「やっぱり。孔子町の人ともめてたでしょう。」「ぼぉ・・・」少崎は少し恥ずかしくなり、赤くなった。「お前、そんなことしていたのか。」「えぇ、、もめてたわよ。まぁ、私も一緒になってだけど。」「ぬぁ;セラスさんまで!?」話が盛り上がる中、また謎の猫が現れたが、今度は誰も気づかなかった。

 「それじゃあまたね。ザキ君、セラスさん。」「うぃ〜す。また。」執事「こら、お嬢様に失礼ですぞ!」「あ、そうやった。」お別れをしたその直後だった。遠くからトラックがもうスピードでこちらに走ってきたかと思うと、窓が開き、そこからボールがいくつか出てきたその時だった。ボールから大量の煙が発生し、辺り一面が煙に覆い尽くされた。「な、何だこれ!?」「なにも見えない・・・」そこに謎の集団が現れ、どさくさ紛れに美幸を拐っていった。トラックが発進すると同時にあの謎の猫がトラックの後ろに忍び込んだ。煙が徐々に消えた頃には美幸の姿はなかった。

 「お嬢様!?お嬢様!」「どうなっているの!?」「まさか、誘拐!」少崎は何かを思い出した。「一瞬だけしか見えなかったけど、さっきのトラック、どっかで見た気がする・・・」「え!?どういうこと?」「たぶんある依頼を受けたときに潰したはずの組織だったような・・・」「ってことは思い出せればそいつらを見つけ出せることができるんだな。」「いや、思い出したとしても場所は特定できないかもしれないからちと難しいんだ。」「五分五分ってところなんだね。」「まぁ、ちとやってみるわ。」少崎は強く目を瞑った。彼の目の中は不可思議な力で異世界の様にいろんな物や記憶が何かの法則のようにめから頭の中へ駆け巡った。そして、記憶のある一部に引っ掛かった。それはさっきのトラックのことの過去であった。

 「分かったぞ、だがやっぱり問題は場所だ。」「で、その組織とかは一体?」「確かお邪魔団とかいう組織だった。」「お邪魔・・・団?」「2010年の秋、あるゲーム世界の捨てキャラだったが、そのひょうしに反乱を犯し、今にあたる訳だ。」「今にあたる?どういうことだ?」「それは、過激なテロ組織みたいなもんになっちまったっちゅうことだ。へたをすりゃこの開幕町にとんでもないことを仕掛けるようになるかもしれない。」「何!」「早く見つけないと、とんでもないことになりそうだ・・・」「・・・お嬢様・・・」天気は嘘をついたかのようにおかしくなってきた。沈黙の青空は、少しずつ灰色の曇天に包まれていく。運命の歯車はすでに周り始めていた。

                                    続く